契約書チェック、弁護士と行政書士どっち?迷ったときの判断基準
契約書のチェックを依頼しようと考えたとき、
「弁護士と行政書士、どちらに頼むべきか」と迷うことは多いと思います。
実際、この判断は契約内容や状況によって変わるため、
一概にどちらが良いとは言えません。
ただし、判断の基準を整理しておくことで、
自分にとって適切な依頼先を選ぶことは可能です。
この記事では、弁護士と行政書士の違いを整理した上で、
どのような場合にどちらへ依頼するべきかを解説します。
1.結論 | 迷った場合の判断基準
契約書チェックの依頼先は、以下のように考えると判断しやすくなります。
・紛争性がある → 弁護士
・契約内容の整理・リスク把握 → 行政書士
つまり、
「すでにトラブルになっているか」
「これからリスクを整理したいか」
によって選択が変わります。
この違いは、「リスクコントロール」と「クライシスコントロール」という考え方で整理することもできます。
・リスクコントロール
→ トラブルを未然に防ぐための対応
・クライシスコントロール
→ トラブルが発生した後の対応
契約書の業務に当てはめると、
・行政書士 → リスクコントロール(予防・整理)
・弁護士 → クライシスコントロール(紛争対応)
と整理することができます。
2.契約書チェックを依頼する理由
契約書レビュー(リスク診断)の目的は主に次の3点です。
- 契約構造の整理
- リスク条項の確認
- 条文連動の確認
契約書は個々の条文ではなく、契約全体の構造で理解する必要があります。
3.契約書レビュー(リスク診断)の主な依頼先
①弁護士
弁護士は、紛争対応や法的代理を行う専門職です。
契約書レビューでは、
- 紛争可能性の分析
- 交渉方針の検討
- 訴訟リスクの検討
などが必要な場合に相談されることがあります。
そのため、
・相手方とのトラブルが発生している場合
・契約内容について争いが想定される場合
には、弁護士への依頼が適しています。
②行政書士
行政書士は、契約書などの文書作成や内容整理を業務とする専門職です。
契約書レビューでは、
- 契約構造の整理
- 条文の内容確認
- リスク条項の整理
などを行います。
行政書士は、契約内容の整理やリスクの把握を目的とした支援を行います。
特に、
・契約内容を理解したい
・どこにリスクがあるのかを知りたい
・サインしてよいか判断材料がほしい
といった場合に適しています。
③社内確認
契約書の最終判断は、通常、契約当事者が行います。
そのため、
- 業務実態
- 取引関係
- 商慣行
などは社内で確認する必要があります。
詳しく判断したい場合は、以下の記事も参考になります。
4.実務では「どの条文をどう見るか」が重要
契約書チェックでは、単に「誰に依頼するか」だけでなく、
実際にどのようなポイントを確認するかが重要になります。
特に以下の条文は、契約のリスクに大きく影響します。
・損害賠償条項(責任の範囲・上限)
→「契約書の損害賠償条項はどこを見ればよいのか」
・解除条項(契約終了時のリスク)
→「契約書の解除条項はどこを見るべきか」
・報酬・検収条項(支払条件)
→「この契約、報酬が支払われない可能性はないか」
・仕様書との関係(業務範囲)
→「仕様書と契約書の関係」
これらは単独で見るのではなく、
契約全体の構造の中でどのように機能しているかを確認する必要があります。
そのため、「どこにリスクがあるのか」を整理することが、
依頼先を検討する上でも重要になります。
5.最終判断は契約当事者が行う
契約書レビューは、契約締結の最終判断を代わりに行うものではありません。
契約締結、継続、解除などの意思決定は、契約当事者が行います。
これは契約書レビュー業務でも同様の位置づけとされています。
→具体的にどのように業務委託契約書を判断するのか整理した記事はこちら
※契約書を締結することに不安があるときは・・・
ここまで見てきたように、契約書チェックの依頼先は、
「何を目的とするか」によって変わります。
ただし実際には、
・どの程度リスクがあるのか
・自分で判断できる内容なのか
を見極めるのは簡単ではありません。
当事務所では、契約書の内容を整理し、
「どこにどのようなリスクがあるのか」を可視化する
契約書リスク診断を行っています。
サイン前に一度整理しておきたい場合は、こちらをご確認ください。
