契約管理と契約運用は何が違うのか|契約書があるのに問題が起きる理由
契約に関する話をするとき、
- 契約管理
- 契約運用
という言葉が使われることがあります。
どちらも契約に関係するため、同じような意味に見えるかもしれません。
しかし実際には、契約管理と契約運用は少し異なる視点です。
例えば、
- 契約書はきちんと保管されている
- 更新期限も管理されている
- 最新版も把握している
にもかかわらず、
- 現場では契約書を見ていない
- 口頭変更が続いている
- 契約外対応が常態化している
ということがあります。
逆に、
- 現場は問題なく回っている
- 長年トラブルなく取引している
にもかかわらず、
- 契約書の所在が分からない
- 更新期限が把握できていない
- どれが最新版か分からない
ということもあります。
この記事では、契約管理と契約運用の違いについて整理しながら、
なぜ契約書が存在していても問題が起きるのかを考えていきます。
1.契約管理と契約運用は似ているようで違う
契約管理と契約運用は、どちらも契約に関する活動です。
ただし、見ている対象が異なります。
契約管理は、
「契約書そのものを管理すること」
に近い考え方です。
一方で契約運用は、
「契約書を前提として実際の業務を進めること」
に近い考え方です。
契約書が存在していても、
現場でどのように使われているかは別の問題です。
そのため、
契約管理と契約運用は密接に関係しているものの、
同じものではありません。
2.契約管理は「契約書を把握すること」
契約管理では、主に契約書そのものを対象とします。
例えば、
- 契約書の保管
- 更新期限の把握
- 契約期間の管理
- 最新版の確認
- 関連資料の整理
などです。
契約書がどこにあるのか分からなくなったり、
更新期限を見落としたりすると、
契約内容以前の問題が発生することがあります。
そのため、契約管理では、
「どの契約が存在しているのか」
を把握することが重要になります。
この点については、
や
でも整理しています。
3.契約運用は「契約書を使って仕事を進めること」
契約運用では、
契約書を前提として実際の業務がどのように行われているかを見ます。
例えば、
- 誰が指示を出しているのか
- どのように報告しているのか
- 契約外対応が行われていないか
- 契約変更がどのように扱われているか
- 実際の責任範囲はどうなっているか
といった部分です。
契約書に書かれている内容と、
実際の現場の動きが一致しているとは限りません。
契約運用では、
「契約書どおりかどうか」
だけではなく、
「実際にはどのように動いているのか」
を見ることになります。
この点は、
でも詳しく説明しています。
4.契約管理ができていても運用の問題は起きる
契約管理が適切に行われているからといって、
契約運用の問題がなくなるわけではありません。
例えば、
- 契約書は保管されている
- 更新期限も把握している
- 最新版も管理されている
という状態であっても、
- 現場では契約書を見ていない
- 契約外対応が続いている
- 口頭で条件が変わっている
- 報告方法が契約書と違う
ということがあります。
つまり、
契約書は管理できているが、
契約運用は別の形で進んでいる状態です。
このような問題は、
や
とも関係します。
5.契約運用ができていても管理の問題は起きる
逆のケースもあります。
例えば、
- 現場は問題なく回っている
- 取引先との関係も良好
- 長年同じ方法で運用している
という状態です。
しかし、その一方で、
- 契約書の所在が分からない
- 更新期限が把握できていない
- 修正版の契約書が見つからない
- 誰が契約担当なのか分からない
ということがあります。
実務が回っているため、
管理上の問題が表面化しにくいだけという場合もあります。
契約運用が順調でも、契約管理上の問題が存在しないとは限りません。
6.契約管理と契約運用は別々ではなくつながっている
契約管理と契約運用は、
別の視点ではありますが、完全に切り離せるものではありません。
契約管理ができていなければ、
- 契約内容が分からない
- 更新期限が見えない
- 最新版が把握できない
という問題が起きます。
一方で、契約運用が適切に把握できていなければ、
- 契約外対応が固定化する
- 慣行が優先される
- 属人化が進む
- 担当者変更で認識がズレる
という問題が起きることがあります。
契約書が存在しているだけでは十分ではありません。
また、現場が問題なく動いているだけでも十分とはいえません。
契約管理と契約運用は、
それぞれ異なる角度から契約を見ていると考えることができます。
7.まとめ
契約管理と契約運用は似ているようで異なる考え方です。
契約管理は、
- 契約書の保管
- 更新管理
- 最新版管理
- 契約期間管理
など、
契約書そのものを対象にします。
一方で契約運用は、
- 実際の業務の流れ
- 報告や承認
- 契約外対応
- 慣行や属人化
など、
契約書が実際にどのように使われているかを対象にします。
契約管理ができていても、契約運用の問題は起こります。
また、契約運用が順調でも、
契約管理上の問題が隠れていることがあります。
そのため、
「契約書があるか」
だけではなく、
「契約書がどのように使われているか」
を見ることで、契約の状態が見えやすくなることがあります。
※契約書リスク診断では、契約管理と契約運用の両面から整理しています
契約書は存在していても、
- 実際の運用と合っていない
- 慣行で業務が進んでいる
- 契約外対応が定着している
- 契約内容が十分に把握されていない
ということがあります。
契約書リスク診断では、契約条文だけでなく、
契約構造や実際の運用状況も含めて整理しています。
「契約書は管理できているが運用に不安がある」
あるいは
「運用は回っているが契約管理が十分か分からない」
という場合は、契約内容と実務の関係を整理してみることも考えられます。
→契約書リスク診断の詳細はこちら
→具体的にどのように契約書を判断するのか整理した記事はこちら
